2010年4月28日水曜日

強く、逞しく、可愛く。

このあいだヴェルディ戦を見に行ったとき、時間に余裕があったんで、ある女性と昼飯を食べた。
彼女と会ったのは、もうかれこれ十数年ぶりかな。

「あたし、車イス乗らなきゃならなくなっちゃったんだ」何年も前に話したときに、そう言ってたのはもちろん覚えていたし、その後、治ったという話も聞いてない。電話した際「どうやってここまで出て来るの?」って聞くと、「車イスだよ、電池で動くやつ」と、さらりと言う。

なんとなく彼女がやって来る方向に歩いていくと、遠くにそれらしき姿が見える。
「久しぶりぃー!」と、昔のままの笑顔で手を振りながら、近づいてくる彼女のその姿を見たら、ちょっと熱くなってしまった。

入ったのは、チェーン店のパスタ屋。「喫煙席の端っこの席がいいんですけど」店員にそう言う彼女。俺は、なんで端っこがいいのかも理解できなかったが、店員にはわかってるらしい。「端の席が埋まってますので、4人掛けの席を用意しますね」そう言って案内してくれ、イスを一脚片付けてくれた。

ああそうか。端っこじゃない2人掛けの席だと、車イスが置けないのか。じゃあ、もしこの席も空いてなかったらどうすんだろ・・・。そんなことを考えつつ、席に着いた。

彼女は、日々の生活のこと、高校生になった息子のこと、自分の病気のこと、息子の父親のこと。明るく一生懸命に話してくれた。「このあいだなんかさぁ、タクシーでさぁ、こーなんだよぉ。でさぁ・・・」って感じで。
思いのほかマシンガンで、俺は相づちを打つくらいしかできなかったけど(笑)

彼女は、小さく華奢な体にハンデを背負って、俺なんかよりも遙かに強く、逞しく、一生懸命に、世の中を生き抜いてるんだよな。なんだか自分が恥ずかしく、ダメなヤツに思えてしまった。

別れ際「思ったよりも元気そうで安心したよ」って言ったら「でしょぅ〜」って笑ってたけど、少し無理してくれてたのかもしれない。「あたし、お買い物してくから〜」と、手を振る彼女に「おぉ、またな。元気にしてろよな」と返し、車イスで颯爽と去っていく姿を見送った。

そして俺は、ヴェルディ戦のキックオフに間に合わなかったのである・・・orz

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